2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧
二組の遺伝子座で組み換えが起こる確率を組み換え価と呼びます。 以下の組み換え価のテーブルを例に、組み換え価から遺伝的距離を求めることを考えます。 遺伝子座の組 組み換え価(%) a-b 50 a-c 15 a-d 38 a-e 8 b-c 50 b-d 13 b-e 50 c-d 50 c-e 7 d-e 45 …
ヘリウム原子の電子で、球対称な解について考えます。 ハミルトニアンはこの場合、となります。単位系は式がシンプルになるように取りました。 基底状態のエネルギーを求めるのに、以下の試行波動関数から出発します。は規格化されていると考えます。基底状…
水素原子のSchrödinger方程式は厳密解が知られていますが、より複雑な分子を検討する際の足場として数値解法を見ておくことは有意義です。 ここでは、角運動量が0の時の水素原子のSchrödinger方程式を有限要素法で解きます。対象となる微分方程式は、以下の…
従兄のジョーは化学工場の研究員である。彼は価値のある衛生商品を作り出す上で不可欠の材料であるSuperzapという物資の分析を任されている。SuperzapはZapとRegant Bから以下の反応によって合成される。 ZapとRegant Bよりずっと高価である。この反応定数K…
メタンが燃える反応では以下の変化が起こります。反応式の係数を求めるスクリプトを作りましょう。 /* 7.1.4m, 7.1.8m */ reactants : [[C, 1, H, 4], [O, 2]]$ products : [[C, 1, O, 2], [H, 2, O, 1]]$ atoms : []$ lexp : 0$ numvars : 1$ for r : 1 thr…
自己相似な三角形であるSierpinski三角形は、色々な方法で生成することができます。 ここでは、カオスゲーム(ランダム反復函数系)を使ってみます。 ある点に対して、ランダムに(0, 0), (1, 0), (0, 1)のいずれかを選び、ある点と選ばれた点の中点を与える写…
Mandelbrot集合は、以下の二次写像の反復函数系について、有界な解を与える複素数パラメータcの集合と定義されます。MaximaにはMandelbrot集合を扱うライブラリがいくつか用意されています。それらを使ってみましょう。 load("dynamics")$ load("draw")$ man…
離散力学系について考えます。(本質的にロジスティック写像と同じ)以下の写像を対象にします。例えば、c=1.23の時、初期値x=0から始めるこの繰り返し写像は2点からなる周期解に収束します。 これを見ておきましょう。 /* 6.3.2m */ load("dynamics")$ evolut…
KdV方程式の続きです。 KdV方程式の初期条件をポテンシャルとする定常Schrödinger方程式を解くと、KdV方程式の厳密解が求められることが知られています。 初期条件に以下を仮定します。これをポテンシャルとする定常Schrödinger方程式の解は以下になります。…
Korteweg-de Vries方程式を調べます。これは、非線形微分方程式ですが、可積分であることが知られています。 1ソリトンの厳密解として、以下が知られています。確認してみましょう。 /* 6.2.3m */ u : -2*sech(x - 4*t)^2$ trigsimp(diff(u, t) - 6*u*diff(u…
強制力と減衰力を受けた調和振動子を考えます。運動方程式は以下の通りです。定常解の周波数は強制力の周波数ω/2πになるはずです。この時の振幅を求めてみましょう。 /* 6.1.21m */ x(t) := A*exp(%i*w*t)$ sol : solve(m*diff(x(t), t, 2) + 2*m*g*diff(x(t…
円形の薄膜の振動を考えます。 極座標を使うと、運動方程式は以下になります。ここでvは音速です。この方程式は、時間と偏角に関して線形なので、変数分離して周波数領域で解くことができます。すなわち、として一般性を失いません。 運動方程式の解となるは…
以下のように3つのバネで構成される2自由度系を考えます。 質量mのそれぞれの質点の釣り合いの位置からのずれを、バネ係数をそれぞれk,jとすると、運動方程式は以下となります。線形問題なので周波数領域で考えることが有効です。と置けます。すると運動方程…
前回の問題の厳密解を求めます。 LagrangianからEuler-Lagrange方程式を導出し、積分ましょう。 /* 5.3.14m, 5.3.16m */ L : -m*c^2*sqrt(1 - (v/c)^2)-q*E*z$ sol : solve((diff(L, v) = (integrate(diff(L, z), t) + c0))^2, v)$ z : integrate(radcan(v),…
二つの慣性座標系がx軸方向に速度vですれ違っているとします。 ラピディティgを以下のように定義します。すると、二つの慣性座標系間のLorentz変換はと表されます。 これは、Lorentz計量を不変に保ちます。 これをMaximaで確認してみましょう。 /* 5.3.31m *…
「Mathematica―理工系ツールとしての (アジソン ウェスレイ・トッパン情報科学シリーズ)」での均一場内の相対論的運動の元々の問いかけは、 均一な重力場の中で、固有時間が最大となる質点の運動は何か。 でした。 一般相対性理論では「均一な重力場=一定加…
z方向に一様な電場の中で時刻と時刻で同じ場所に到達する相対論的電荷qの運動を考えます。簡単のため空間は1次元とします。 二つの時刻の位置が運動の条件になっている場合、Lagrangianと最小作用の原理で考えるのが適しています。 作用は以下のように定義さ…
質量mの物体が速度vで移動している時の相対論的総エネルギーは以下のように書けます。総エネルギーを速度で展開してみましょう。 /* 5.3.2m */ E(v) := m*c^2/sqrt(1 - (v/c)^2)$ taylor(E(v), v, 0, 8); 初項には、光速度の二乗を係数に持つ最も美しい物理…
調和振動子の定常状態のSchrödinger方程式は、なるg(x)を使うことで、形式的に以下の1階微分方程式に変換できます。ψ(x)からg(x)からへの変換式を見ると、ψ(x)が偶函数の時g(0)=0、ψ(x)が奇函数の時であることがわかります。また、ポテンシャルV(x)が調和振…
位置エネルギーを以下のように量子調和振動子からの1次の摂動で考えます。エネルギー順位の摂動展開は、以下のようになります。ここで、は Hermite多項式について以下の積分公式が知られています。ここで、。を計算するために、をHermite多項式で展開しまし…
Maxima 5.24.0が公開されたので、マニュアルを更新しました。 (それで昨日はCrandallシリーズをお休みしました。) http://www.h3.dion.ne.jp/~y.ich/Maxima/maxima.htmlトピックは、 構造体 金融パッケージ フラクタルパッケージ の追加でした。 (訳してませ…
1次元の量子調和振動子を考えます。単位系をうまく選んだ定常状態のSchrödinger方程式は以下の通りです。中心から遠いところの振る舞いを考慮すれば、と置き換えるのが妥当です。その結果、Schrödinger方程式は以下になります。級数展開を使って、g(x)の偶函…
1次元のSchrödinger方程式は簡単な単位系を選択すると以下のように書けます。ここで、d)" />という0" align="middle" />の位置エネルギーを考えると、が粒子の運動エネルギーより大きな場合がトンネル効果が現れる場合になります。 この条件では、波動関数は…
振り子の運動について考えます。振り子のHamiltonianは以下のように書けます。振り子の正準運動方程式はHamiltonianから以下の通りに求められます。ここで、lは角運動量、θは角度、mは質量、gは重力加速度、Lは振り子の長さです。 Euler法でMaximaに周期を計…
調和振動子の運動方程式は以下の通りです。ここで、pは運動量、qは位置、mは質量、kはバネ係数です。 これは解析的に解くことができます。 初期条件をp(0)=0, q(0)=1として、Maximaに解かせてみましょう。 assume(m > 0, k > 0)$ atvalue(q(t), t = 0, 1)$ a…