読み書きプログラミング

日常のプログラミングで気づいたことを綴っています

Google Earthコンテンツの作り方 (1) ー今Google Earthなのか?ー

久しぶりに連載を始めようと思います。果たしてうまく続けることができるでしょうか?


連載のターゲットは「Google earth上でのコンテンツの作り方」です。
第一回の今回はなぜ今Google Earthなのか?です。
箇条書きしてしまうと、

  • 元々、地球儀は誰にとっても魅力的
  • 地球儀と情報の組み合わせで魅力がX倍増
  • でも、パソコン上では実物の地球儀のようには操作できない
  • タッチパネルのスマートデバイスで操作性も実物の地球儀以上
  • 最近(2012年3月)、スマートデバイスGoogle earthKMLをサポート

最後の項目がキーです。KMLはKeyhole Markup Languageの略で、3次元の地理情報の組版(コンテンツ)言語です。
つまり、iPadAndroidタブレットスマートフォンで見られるGoogle earthコンテンツを作れるようになったということです。

デモ

では早速、デモ「男はつらいよ」第一作オープニングを見ていただきましょう。パソコン版Goolge earthでも、iPadGoogle earthでも動くかと思います。

デモを見ていただくにはアプリをインストールする必要があります。

インストールが完了したら、以下のファイルをアクセスして下さい。
http://www.h3.dion.ne.jp/~y.ich/torasan/opening1.kmz

パソコン版の場合には、「場所」ペインの「保留」フォルダにopening1.kmlというドキュメントが現れますので、その中の「男はつらいよ第一作オープニング」をダブルクリックしてください。ツアが始まります。

iOS版の場合には、Safariから「"Google Earth"で開く」をタッチすると、Google Earthが起動し、少し待つとツアが自動的に始まります。(初代iPadでは途中でメモリ不足が起こります。)

Android版でも動作すると思っていますが、手元に端末がないので未確認です。試された方がおられましたら、結果を教えていただけたら幸いです。

Google Earthのキャッシュの状態やネットワークのスピードによって見え方が荒くなることがあります。2回目の再生で改善される可能性がありますので、是非スライダを戻して2度再生ください。


いかがでしたでしょうか?デモの内容は私の趣味に偏っていますが、ストーリと地理的関係が一緒になると映画などとはひと味違った趣が生まれると思っています。感じ取っていただけたら幸いです。
男はつらいよ」を見たことがなく、ピンと来なかった方は、こちらを一度見ていただくといいかと思います。

デモは映画のオープニングを題材にしましたが、地域の紹介、旅行プラン作成、地理/歴史の教材、地政学的戦略立案など幅広い応用が考えられます。地理的情報は分散情報なので、そこにストーリを示すことにより1つのコンテンツに昇華させることができます。

パソコン版とスマートデバイス版の違い

スマートデバイスGoogle Earthはビューアとして非常にシンプルなユーザーインタフェースを採用しており、直感的に操作が可能になっています。一方でパソコン版と異なりいくつかの制約があります。

項目 パソコン版 iOS Android
操作性
検索
3D地形
3D建物 ×
ストリートビュー ×(4) ×(3)
各種レイヤー
Webkitバルーン ○(1)
オーバーレイ
現在位置 ×
Googleマップのマイマップ連携 ×
オーサリング機能 × ×
「場所」ペイン × ×
ツア再生 △(2) △?
フォルダのツア再生 × ×
ツアでのサウンド再生 × ?
ツアでのバルーン表示切り替え × ?

(1)ブログ初稿時点でのバージョンでは不具合があり、表示させるのに一工夫必要です。

(2)読み込んだKML/KMZの最初のツアのみが再生されます。

(3)2013年5月9日に可能になりました。

(4)2013年6月26日に可能になりました。

目印に情報を付加するバルーンはHTMLレンダリングエンジンのWebkitで描画されます。従って、通常のウェブページのような表現力豊かな内容が表示できます。必要に応じてHTML5アプリケーションを実装することも可能です。スマートデバイス版ではストリートビューがサポートされていませんが、バルーンを使って補完することが可能です。

「地理情報にストーリを」という観点からすると、スマートデバイス版ではフォルダのツア再生やバルーンの表示/非表示の切り替え(gx:balloonVisibility)がサポートされていないところがコンテンツを作成する際に工夫が必要になるところです。


次回は、Google Earthでコンテンツを記述するKMLの概要とバルーンの表現力について書きます。

おまけ

バーチャル地球儀アプリの今後の広がりが楽しみですが、最近ではiPad用にBarefoot World Atlasという地球儀百科事典アプリがあるそうです。英語版ですが、日本語版も予定されているそうで楽しみです。


追記

2012年6月6日にGoogleGoogle Maps/Earthの新機能を発表しました。ジオブラウザ関連、活発になってきています。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1206/07/news019.html