Jacobiの三番目のテータ定数は以下のように定義されます。
(はqの函数ですが、テータ函数の原点の値であることから定数と呼ばれます。)
この函数に関して、以下の恒等式が成り立つことが知られています。
これを有限項に限定して確認してみましょう。まず、右辺から。
/* 4.1.17m */ theta3(q) := sum(q ^ (n ^ 2), n, -5, 5)$ left : expand(theta3(q) ^ 2);
使用した機能
次に左辺を計算しましょう。
/* 4.1.18m */ sum2(q) := 1 + 4 * sum(q ^ n / (1 + q ^ (2 * n)), n, 1, 25)$ deftaylor(right(q), sum2(q))$ taylor(right(q), q, 0, 25);
使用した機能
最後に各項の差を見てみましょう。
/* 4.1.19m */ taylor(right(q) - left, q, 0, 25);
まで両辺の各項が等しいことが確認できました。
上で求めた右辺のMaclaurin展開のm次の係数は以下のように書くことができます。
和は、mを割り切る奇数dすべてについて取られます。
であることを使うとわかります。
一方、左辺のMaclaurin展開のm次の係数は、テータ函数の二乗の展開を考えると、以下のように書くことができます。
和は、を満たすすべての整数の組(a,b)について取られます。
従って、以下の命題が成り立ちます。
を満たすすべての整数の組(a,b)の数は、
に等しい。
これを、例えば25次についてMaximaではっきり確認しておきましょう。
/* 4.1.21m */ right2(m) := 4 * lsum(if mod(m, d) = 0 then (-1) ^ ((d - 1) / 2) else 0, d, makelist(2 * i + 1, i, 0, floor(m - 1) / 2))$ left2(m) := sum(sum(if a ^ 2 + b ^ 2 = m then 1 else 0, a, -m, m), b, -m, m)$ print(right2(25), left2(25))$
参考文献
- Crandall, Mathematica―理工系ツールとしての (アジソン ウェスレイ・トッパン情報科学シリーズ) p.46-p.49